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医療安全対策

1.総則

1.1 目的

医療現場では、ヒューマンエラー等いろいろな原因で医療上予期しない状況や望ましくない事態を引き起こし、患者の健康や生命を損なう結果を招くことがある。わたしたち医療従事者には、患者の安全を確保するための不断の努力が求められている。 この考えのもとに、医療従事者の個人レベルでの事故防止対策と、病院全体の組織的な事故防止対策の2つを推し進めることによって安全・安心・信頼の医療を提供できる環境を整えることと、 医療法施行規則第9条の23第3号の規定により、患者またはその家族等からの苦情や意見に迅速かつ適切に対応するために、必要な措置を講ずるとともに、苦情の原因を組織的に明らかにし、苦情に対する具体的な対応方法について定めるものである。 法人規程に準じて岡山協立病院における医療および介護の安全管理に関する指針を定める。

1.2 基本理念

以下の4点を基本理念として、医療介護安全の取り組みを行う。

  • ①全ての医療・介護行為に対して常に緊張感と危機管理意識を維持し、利用者本位の安全でかつ質の高い医療・介護サービスを提供できるよう努めなければならない。
  • ②苦情はサービスの質を向上させるためのチャンスとして真摯に受け止め、問題があればそれを迅速に改善する。この活動は、利用者との相互理解を深めるための意識的かつ積極的な取り組みである。
  • ③医療・介護事故及び苦情対応にあたっては、傾聴に心掛け、話し合いの中で一致点を見いだしてゆく姿勢で臨むこととする。
  • ④関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守するよう心がけなければならない。

1.3 用語の定義

(1)アクシデント(医療事故・有害事象)

医療行為によって何らかの障害が患者に発生した事例で、以下に記載の場合や合併症を含む。 なお、医療従事者の過誤、過失の有無は問わない。

  • 死亡、生命の危機、病状の悪化などの身体的被害及び苦痛、不安など精神的被害が生じた場合
  • 患者が廊下で転倒し、負傷した事例のように、医療行為とは直接関係しない場合
  • 患者についてだけでなく、注射針の誤刺のように、医療従事者に被害が生じた場合

(2)インシデント

  • 誤った医療行為等が、患者に実施される前に発見された事例
  • 誤った医療行為が実施されたが、結果として患者に影響を及ぼすに至らなかった事例

*本院における事故の人身に及ぼす障害の影響レベル判定基準(事故影響レベル)は、表1の通りとする。
*表1において、レベル3b以上をアクシデント、レベル3a以下をインシデントとして取り扱う。

【表1】

レベル 判定基準
レベル0 エラーは生じたが実施されなかった場合
レベル1 患者への実害はなかったが、何らかの影響を与えた可能性は否定できない場合
レベル2 患者への処置や治療は行わなかった場合(バイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査の必要性、患者観察の強化が生じた)
レベル3a 患者へ簡単な処置や治療を要した場合(消毒、湿布、鎮痛剤投与など)
レベル3b 濃厚な処置や治療を要した場合(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、外来患者の入院、骨折、皮膚の縫合など)
レベル4 生活に影響のある重大で永続的な障害が発生した場合
レベル5 事故が死因となる場合

(3)医療過誤

医療行為によって患者が障害を受けた時、その医療行為に過失があり、その障害と過失の間に因果関係が存在する場合

(4)合併症

過誤やシステム的な欠陥が原因ではなく、検査あるいは治療に伴ってある確立で不可避に生じる病気や症状のことで、最大限の注意を払って最善の治療を施しても回避不可能である。

  • 腹部手術後の合併症として、腹腔内の癒着によるイレウスや、術後の感染症など
  • 消化管内視鏡の合併症として、消化管穿孔や出血など
  • 血管内カテーテル検査の合併症として、血管破裂や出血、脳梗塞、心筋梗塞など

(5)苦情・要望

患者・利用者から本院への申し出で、次のものをいう。

・話を聞いて欲しい ・教えて欲しい ・回答が欲しい ・調査して欲しい
・改めて欲しい ・賠償して欲しい など。

(6)組織体制に関する用語

①法 人:
岡山医療生活協同組合
②本院:
岡山協立病院
③職 員:
当法人に勤務する医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、臨床工学技士、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、事務職員などあらゆる職種を含む
④事業所責任者:
病院長
⑤事務責任者:
(病院)事務長、事務次長
⑥職責者(職場責任者):
各職場の責任者
⑦専従リスクマネージャー:
医療介護安全管理に必要な知識及び技能を有する職員であって、病院長の指名により病院全体の医療介護安全管理を中心的に担当する者
⑧職場リスクマネージャー:
医療介護安全管理に必要な知識および技能を有する職員であって、医療安全委員長の指名により、各職場全体の医療介護安全管理を中心的に担当する者
⑨医療安全管理部:
部長は岡山協立病院医療安全委員会委員長とし、専従リスクマネージャーを事務局とする。
⑩上席者:
当該職員の直上で管理的立場にあるもの

1.4 組織及び体制

(1)医療介護安全の推進

岡山協立病院における医療介護安全対策と利用者の安全確保推進するために、本指針に基づき以下の組織及び役職等を設置する。

  • ①総合病院岡山協立病院医療安全管理部
  • ②医療安全会議
  • ③医療安全委員会
  • ④専従リスクマネージャー
  • ⑤医薬品安全管理責任者
  • ⑥医療機器安全管理責任者

2.アクシデント発生時の初期対応

(1)患者への対応

  • ①アクシデントと認識した職員は、速やかに主治医(または当該の医師)に連絡する。同時に、所属部門責任者への連絡を行い、現場の保存をする。(夜間帯の場合は、病棟当直医・夜勤師長に連絡する。夜勤師長は必要に応じ管理部へ連絡する)
  • ②連絡を受けた医師は、患者の状態に応じた適切な処置を行う。
  • ③医師は、上級の医師と共に、患者の状態把握、なぜ事故が起こったかの事実経過の把握、今後の医学的な対応方針について検討を行う。同時に医療安全委員会委員長、病院管理部(院長、事務長、看護部長)に報告する。


(2)患者・家族への説明と対応

<基本姿勢>

事故が発生した場合、過失の有無にかかわらず、患者及び家族などに対しては心情や身体状態に十分配慮して誠実な対応を行う。特に過誤の可能性がある場合は、事実の隠蔽・秘匿につながる行為を絶対行わないように注意する。

  • ①医師は、上級の医師と当該師長とで患者・家族への対応を行う。
  • ②技術系職場での事故は、当該部門の責任者と診察を行った医師とで説明を行う。
  • ③事故の程度によって、病院として対応が必要と判断される場合は病院管理部、及び専従リスクマネージャーへ報告する。
  • ④過失が明らかな場合は、管理部において必要な意思統一を行い、患者及び家族などに対し誠意を持って説明し謝罪する。
  • ⑤過失と事故の因果関係が明らかでない場合は、十分な調査検討を行った上で、出来るだけ早い時期に説明することを約束し、理解を得るよう努力する。
  • ⑥説明を行ったときは、説明者、説明を受けた人、同席者、説明日時、説明内容、質問と回答などを診療記録に必ず記録する。


(3)本院としての対応

  • ①院長は事故関係者を集めて、事実関係の客観的な把握を行う。
    ・なぜ、どこで、誰に対して、何が起ったのか
    ・その原因は何か?を把握する。
  • ②上記を把握したうえで、事故関係者、上席者で説明を行う。その際、中立的立場でメディエーターが同席する場合もある。
  • ③補償などの件については、病院管理部で対応する。
  • ④医療関係法規違反若しくは管理上重大な事故の場合、病院管理部は直ちに医療事故調査委員会を設置し、その活動を指示する。また、必要に応じて常任理事会への報告を行う。行政への届出については理事長、常務理事と相談した上での決定となる。
  • ⑤重大な事故が発生した場合、事実が明らかになった段階で、出来るだけ速やかに職員(職場責任者)に報告・説明を行う。
  • ⑥死亡事例の場合、その原因が明らかでない時、家族に剖検のお願いをする事もある。
  • ⑦場合によっては、診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業を利用する事を家族に提案する。


(4)重大な事故発生時の対応(医療事故対策委員会)

本院は重大な事故と判断した場合、医療事故調査委員会を設置する。委員は、管理部、医療安全委員会委員長、副委員長、事務局長、当該職場責任者、主治医、主治医所属科部長、法人本部役員、顧問弁護士、その他院長が要請する者とする。また、十分な審議をつくす為に外部委員として、法人以外の有識者を加えること。