副院長　角南 和治

当院での初期臨床研修の理念は「臨床医に求められる基本的な知識、技能、態度を身につけ、全人的医療を習得すること」です。そのために大切にしていることが3つあります。１つ目は問題解決能力を養うことです。ひとりひとりの患者さんに丁寧に向き合い、単に疾患を経験するだけでなく、自分の力で問題点を拾い上げ、検査や治療法などを検討する過程で、基本的な態度や考え方を習得していきます。２つ目は病院・地域ぐるみで研修医を支えることです。病院内では診療各科や職種の枠をこえた「チーム医療」の中で、医師だけでなく、看護師や各種技師さんたちもしっかり指導に関わる環境は当院の自慢です。また地域での訪問診療や活動報告会は、総合的な視点を学ぶ上で欠かせない貴重な経験となっています。３つ目は個々の研修医を大切にすることです。少人数ゆえに専属スタッフによるバックアップのもとで細かい配慮もでき、アットホームな雰囲気の中で各人が成長できるプログラムを構築しています。
初期臨床研修制度が始まって以来、当院では約40名が研修され、とても優秀で「心」ある研修医に恵まれてきました。当院には急性期のみならず、慢性期、リハビリ、緩和、在宅と幅広く学べる環境があります。今後も将来の日本の医療を担っていく臨床医が育ってくれることを心から期待しています。